もし身近な大切な人がうつ病になったら、どう対応したら良いのか困ってしまうかもしれない…。
家族・恋人・友人として、サポートしてあげるためには何をしたら良いのだろう?
なんてお悩みの方へ。
本記事では、家族やパートナー、友人としてどんなサポートができるのかを具体的に解説していきます。
この記事を書いている筆者は、昨年うつ病にかかり、約半年〜1年闘病をし、現在回復に向かっています。
いまは、「同じ辛い状況にある人を少しでも楽にしたい」「メンタルヘルスへの社会的な理解を深めたい」という思いから、うつ病闘病中に学んだこと・自分の経験をシェアしています。
コンテンツ
うつ病の人への対応① アドバイスをしてほしいのではなく、ただ聞いてほしい
あなたの大切な人に、
「最近調子が悪くて…」
「ずっとやる気が出ないんだ」
「もしかしたらうつ病かもしれないの」
「朝起きるのが辛くて、ずっと悲しい」
などと相談をされたら。
きっとあなたの大切な人は、あなたならわかってくれるかもという藁をも掴む思いで気持ちを打ち明けているのだと思います。
「やる気が出ない」「何もする気が起きない」などと相談をされた時に、
「ポジティブに考えなよ!」「○○をしてみたら?」「もっと頑張りなよ」などと、助けてあげたいという気持ちからアドバイスをしてしまいがちかもしれません。
しかし、ここでは一旦アドバイスや励ましの言葉は封印して、まずは話の聞き役に徹するように心がけてみてください。
うつ病の人は頑張り屋さんで責任感が強く、本当はあれもこれもしたいし、やらなきゃという気持ちでいっぱいいっぱいかもしれません。
そんな時に、ただ気持ちを聞いてくれる存在がいるだけで、安心するスペース・信頼できる場所を持つことができ、気持ちが楽になります。
うつ病の人への対応② 否定されたくない
うつ病の人はネガティブに考えようと思ってそうしているわけではありません。
もしかしたら、ポジティブになれない自分を心の中で責めてしまっている可能性もあります。
うつ病は脳内物質のセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンが減ることで起きる病気です。(※1)
これらの脳内物質は、幸福度や楽しさ、やる気、食欲などを司る物質なので、これが減れば、悲しい気持ちや不安、ネガティブに感じてしまうの仕方のないこと。
晴れない気持ちのはその人の性格ではなく病気によるものなので、否定的な発言や態度は禁物です。
打ち明けた時にその人の決断や考え方は極力否定せずに、広い心で受け止めましょう。
※1参照:うつ病が発症するしくみ – うつ病 こころとからだhttps://utsu.ne.jp/depression/mechanism/
うつ病の人への対応③ これまで頑張ってきたので「もう頑張らなくていい」って言ってほしい
うつ病の人はストレスを抱えるほど何かを頑張ってきた人や努力家の人が多いです。
これまで頑張ってきたので
「もう頑張らなくていいよ」
の一言ですごく救われます。
落ち込んでいるあなたの家族や恋人、友人を励ましたくなってしまう気持ちもわかりますが、ここは精神論でやっつけるのではなく、頑張るのをやめること、そして休むことを勧めてあげてください。
うつ病の人への対応④ 変な目で見たりせず、ありのままを認めてほしい
人は皆、自分が何か風変わりだとか、奇異な目で見られるのが嫌なはず。
それはうつ病の人も同じです。
うつ病は病気の疾患の一つで、気分や機嫌の問題ではありません。
もしあなたの大切な人から「うつ病になった」と打ち明けられたら、
動じたりパニックにならずに、ありのままを受け入れる努力をしましょう。
誰でもなり得る病気なので、他の病気を患っている人に対するのと同様に接してください。
健康なあなただからこそ、不安にならずに「もう少し詳しく教えて」と耳を傾けたり、
「ゆっくりでいいから、一緒に克服しよう!」などといった言葉をかけてあげるといいでしょう。
うつ病の人への対応⑤ うつ病は本当はどういう病気なのか調べてみてほしい
うつ病にはいろいろなステレオタイプがあります。
そして、うつ病患者の人は、病気だけでも辛いのに加えて、その偏見にも苦しんでいるのです。
もしあなたが、うつ病になる人は怠け者だとか精神的な問題だとか思っている場合は、一度うつ病とは本当はどういう病気なのかを調べてみてください。
参考リンク
▼1 うつ病とは – 心の耳
http://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad001/
▼うつ病が発症するしくみ – うつ病 こころとからだ
https://utsu.ne.jp/depression/mechanism/
わからない場合は、うつ病の方の一緒に診察についていって、お医者さんに質問し、説明してもらって良いでしょう。
うつ病の人への対応⑥ 怪我や疾患はないように見えてもうつ病は病気だということを知った上で接してほしい
上記の「うつ病は本当はどんな病気なのかを知る」ということを踏まえた上で、うつ病の人と接するようにするよう心がけてみてください。
- 食欲がない
- 朝ベットから起き上がれない
- たくさん人のいるところに行きたくない
- 理由もなく泣きたい
などといった症状は、ただ気分が乗らないとか、機嫌が悪いのではなく、病気の症状であることを知った上で接してください。
本人がイヤといっているのに、気分転換しようと人混みに連れ出すのとかは、うつ病の方にとってかなりしんどいかもしれないです。
また、一緒に外出をして、「早く家に帰りたい」と本人が言い出したというシチュエーションでも、わがままでいっているのではなく、
うつ病の最中は人一倍疲れやすいこと、そして、外に出たというだけでも大きな一歩であることを認識してください。
うつ病の人への対応⑦ 一緒にどこかに行ってくれたり、何かをしてくれるのはとても嬉しい
うつ病の人は、身近な人が何か簡単なタスクや日常のルーティーンを手伝ってくれるのをとても嬉しく感じます。
健康な方にとっては当たり前なようなことも、うつ病という病気が邪魔してできないということがあります。
あなたの大切な人を助けてあげる方法としては
例えば
- 朝一緒に通勤する
- 一緒にご飯を食べる
- 次回の通院に付き合う
- 溜まってる洗濯物をしてあげる
- 一緒に散歩に行く
など。
特に病院は、本人も行かなくてはいけないとはわかっていても、とても億劫だったりします。診察室に入らずとも、一緒に付き添いで病院に来てくれるのはとても心強いものです。
うつ病の症状がしんどくて、あまり喜ばれているように感じられなくとも、あなたのサポートはとても嬉しいはずです。
何も特別なことはしなくていいので、一緒に時間を過ごしたり、気持ちに寄り添ってあげることを考えてみると良いでしょう。
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